有機ELと液晶の特徴比較と用途別の選び方

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最近ではスマホにしてもTVにしても有機ELディスプレイが採用されたものが出回り始めました

知名度はあるのですが次世代のディスプレイで、なんか映像が綺麗なんでしょ?

といった程度の認識の方が多いのではないでしょうか?

新しいから高価でいいものだ!という認識だけでは、あなたの期待には添えない可能性があります

難しい話はいいから、結局どっちを選んだらよいの?

そういった疑問にお答えしようと思います

 

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色鮮やでクッキリとした表示性能を重視するなら有機EL

有機ELの最大の特徴は完全な黒を表現できることに起因した高い表示性能です

表示性能では液晶は有機ELに敵いません

近年、有機ELがもてはやされている理由の1つになります

表示が美しいディスプレイが欲しければ有機ELを選択しましょう

ただし、注意点はその表示性能が長続きしないこと、価格が高いことです

価格が高い上に買い替えのタイミングが早いため、コスストパフォーマンス的には最悪です

コストパは度外視でも表示性能を重視したい方は有機ELが正解です

また、製品の中ではスマホがオススメです

スマホの使用期間は3年程度なので、有機ELが経年劣化する前に買い替えのタイミングとなります

逆にテレビのように10年以上使用することが前提のものは避けた方が無難です

時間が経過すればするほど経年劣化が目立ってきます

数年単位で買い換える覚悟があるなら止めはしないよ

ですが有機ELが気になる方はまず、スマホでお試ししてみることを強くお勧めします

その表示性能と劣化スピードを体感してみましょう

 

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画面は映ればいい、コスパ重視なら液晶

液晶の特徴は寿命の長さと価格の安さです

つまりコスパ最強です

コスパの観点から言うと有機ELは液晶にはまず敵いません

有機ELと比較すると表示性能は確実に劣ります

しかし、現時点でスマホやテレビの表示に不満がない方にとってみれば、問題のないレベルなのではないでしょうか?

現時点の表示性能に満足している方は、わざわざ高価で寿命の短い有機ELに手を出す必要はありません

有機ELの知識もなしに高価だから寿命も液晶と同じぐらい、もしくは長いと勘違いして購入した人は必ず後悔することでしょう

テレビなんか映ってさえいれば10年、20年と平気で使い続けるタイプの人は液晶が正解です

スマホなどは買い替え周期が短いので液晶の寿命の長さの恩恵は受けにくい(先に電池の寿命がくるよ)ですがコスパを重視するなら液晶一択です

有機ELを選択しようとしているあなた、本当に有機ELでないといけない理由がありますか?

特にこだわりがなければ液晶を選択するのが無難です

 

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有機ELとは

有機ELとは自発光型のデバイスだよ

その名の通り有機ELの素子自体が発光し、ディスプレイを表示します

有機ELは有機 electro-luminescenceの略であり直訳すると『有機物の電気による発光』となります(直訳が過ぎるかな)

有機物に電流を流すことで有機物自体が発光する現象を利用しています

有機EL以外で自発光型デバイスを利用したディスプレイは昔懐かしのブラウン管テレビ、今ではあまり見かけなくなったプラズマテレビなどが挙げられます

もしかして若い世代ではブラン管テレビやプラズマテレビの実物を見たことない人がいるかも⁉︎

ちなみにブラウン管テレビとプラズマテレビは発光デバイスは無機物です

有機ELは有機物を使っていることが、これまでの自発光型のディスプレイにはない特徴だったため、その名がつきました

有機ELってなに?って聞かれることがあれば

有機ELディスプレイは電流を流すと発光する有機物を利用した表示デバイスだよ

とドヤ顔で教えてあげましょう

『自発光型であること』『有機物を使用している』ことが大きな特徴であり、メリット・デメリットに直結します

 

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液晶とは

液晶は調光型のデバイスだよ

その名の通り、光量を調整してディスプレイを表示します

自発光型のデバイスとは異なり、液晶自体は光りません

液晶自体が光っていると思っている人も多いようですが間違いだよ

1画素ごとにちっちゃいシャッターが沢山付いているイメージになります

液晶自体は光らないので液晶の後ろ側に光源(ライト)が必要になります

その名もバックライト、そのまんまのですね

バックライトには当初は細い蛍光灯が使われていましたが、最近ではLEDライトを使うのが主流です

液晶に電圧をかけることでバックライトの光を調光することで表示を実現しています

『調光型であること』『光源が別に存在していること』が大きな特徴であり、メリット・デメリットに直結します

ちなみに表示性能にはあまり関係がないのでどうでもいいのですが『液晶』とは物の名前ではなく、その状態を表す名前です。『個体』と『液体』の中間のような性質を持つ状態のことを『液晶』と呼びます

見た目は液体です。液晶テレビなどを指で押さえると、波打つように見えるのは実際に液晶が波打っているからです

 

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液晶小話(コーヒーブレイク)

突然ですが「この最新型のスマホの液晶は、有機ELを採用しています」と販売店の方に説明されたという小話があります

この説明の間違いに気づくことが出来ますか?

そうですね、液晶が有機ELなのではなく、ディスプレイが有機ELなんですよね

液晶がブラウン管を淘汰して以来、ディスプレイ業界は液晶の独壇場となり、生活に浸透しています

スマホなどに搭載された表示画面のことを『ディスプレイ』ではなく『液晶』と呼んでいる人も多いのではないでしょうか

『ディスプレイ』=『液晶』のイメージが強すぎて上記の小話みたいなことが起こるわけです

ここにきて有機ELに御株を奪われる事態になりつつあります

 

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有機ELと液晶の性能比較

下記項目について比較していきます

  • 表示性能(映像の綺麗さ)
  • 外観の多様性(薄型化やフレキシブル(曲がる)性能)
  • 寿命
  • 価格
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表示性能(映像の綺麗さ)

表示性能は有機ELの勝ちです

有機EL(自発光型ディスプレイ)の表示性のとしての最大の特徴は完全な黒を表示することが出来ることです

有機ELは電流さえ流さなければ全く光らないので完全な黒を再現することが出来ます

コントラスト感があり、鮮やかでクッキリ・ハッキリとした綺麗な映像を表示することが出来ます

液晶の場合は完全な黒が再現できません、これはバックライトの光を調光素子で完全に遮光することが出来ないためです

ブラインドを閉めていても若干光が漏れてくるイメージです

液晶は完全な黒が表示できないため有機ELと比較するとボケた印象になります

特に夜景や夜空の映像を表示した場合、液晶との差は歴然です

有機ELの背景が黒く締まって見えるのに対し、液晶は白けて見えます

量販店なのどでよく比較展示をしているので興味のある方は見に行ってみたら面白いと思います

また、デバイスの応答する速度についても有機ELの方が上です

応答が速ければ速いほど、残像が見えにくくなります

例えば、サッカーや野球観戦時に高速でボール動いてもボールが分身するようなことが起きづらです

昔の安物液晶だとボールが分身して見えることがありました

液晶が表示性能で有機ELに勝てるとしたら画面の明るさぐらいのものです

炎天下の公園の直射日光下で使用するには液晶の方が適しています

※そんなところでスマホを長時間いじるのはやめましょう。倒れます

野外の広告ディスプレイなんかは液晶が適しているかもしれませんね

というわけで実使用上の表示性能で比較すると有機ELの圧勝ですかね

根本的な表示方法が異なるのでこの優位差は覆ることはまずあり得ません

(何か革新的な技術が開発されれば別ですが)

 

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外観の多様性(薄型化やフレキシブル(曲がる)性能)

外観などの多様性の面でおいても有機ELが圧勝です

有機ELは1cm以下の超薄型化が可能です。もうペラッペラです

これは同じ自発光型ディスプレイのブラウン管TVやプラズマTVには真似のできない特徴です

液晶テレビにブラウン管テレビから買い換えた時にはその薄さに驚いたものです。

しかし、当時よりも薄型化が進んではいますが、液晶ディスプレイは5cm程度の薄さが限界のようです

その理由は液晶ディスプレイはその構造上、液晶パネルとバックライトが必要となりますが、有機ELのは『自発光型』のためバックライトを必要としません

さらに、有機ELはその発光素子自体をを薄膜化することが出来るため、他の『自発光型』と比較しても超薄型化が可能です

 

有機ELは素子が個体であるため、柔らかい樹脂の上に有機ELの発光素子を作製することで曲げることが可能になります

ただしこの技術はまだまだ発展途上であり、様々な課題が残っている状態です

現段階では曲がると言うことは壊れやすいよねってレベルから脱せずにいます

液晶も曲げることは出来るのですが現時点の技術では、使用に値するレベルでは湾曲させるのがやっとです

液晶は液体で2枚のガラスや樹脂シートの間に注入して作製します

2枚のシートを折り曲げると必ず、折り曲げた端面がずれます(紙でさえ2重、3重に折畳むとズレるよね)

2枚のシートがずれると映像が歪みます

歪まないようにするには均一に曲げる必要があるのですが、2枚のシートがずれやすいため技術的にハードルが高いんだよ

現時点での技術力では折りたたみスマホやローラブルテレビなど、未来感のあるディスプレイは有機ELでないと作製できません

 

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消費電力

表示する画像にもよりますが今の所、トントンと行ったところでしょうか

液晶の場合は電池の持ちを長くしたければバックライトの明るさを低くしましょう(画面暗くしましょう)

暗い画面を我慢して使えば消費電力が抑えられます

有機ELの場合も画面を暗く設定すれば消費電力が抑えられます

また、有機ELの使用方法でオススメなのが背景を黒にすることです

有機ELの場合は黒表示部は電力を消費しません

なので画面表示に黒が多ければ多いほど消費電力が抑えられて、電池が長持ちします

さらに素子自体も発光する時間が短いほど劣化が抑えられ、素子自体の寿命も伸びます

有機ELをお使いの方は黒背景に白文字を表示する設定にすることを強くお勧めします

最初は超気持ち悪いですが1週間もすればなれます

ちなみに液晶は画面内の黒表示が多くでも消費電力は変わらないよ

 

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寿命

寿命の永さで言うと液晶の圧勝です

有機ELは『自発光型』デバイスであり、自発光素子は劣化しがちです

さらに発光素子の材料が有機材料であるとその劣化スピードに拍車がかかります

発光素子が劣化をすると発光する光が弱くなり、画面が暗くなります

またディスプレイというものは赤・緑・青の光の三原色の混色により、様々な色を再現しているのですが、赤・緑・青のそれぞれで材料が異なります

材料が異なると何が起こるかというと、材料ごとに劣化スピードが異なるので色味が変化します

ブラウン管テレビを使用したことがある人は、長期間使用していると表示の色が変になってきたなぁ〜という記憶がありませんか?

色味の変化がテレビの寿命だと、テレビを買い換えた経験があるのではないでしょうか?

ブラウン管テレビの発光素子は無機物で出来ていますが、それでもあのレベルで劣化します

有機物の場合は無機物と比較してさらに劣化スピードが速い傾向があります

鉄などの金属(無機物)とプラスチック(有機物)が発光したとして、どちらが劣化が早そうですか?

おそらくプラッスチックの方が早く劣化するイメージでしょう

正確にいうと違うのですがイメージとしてはそんな感じです

現在では技術が進歩し色味が変わらないようなプログラムが搭載されています

色味の変化は少なくなるのですがこのプログラムのデメリットは寿命を削ることです

悪魔と契約を結ぶかの如く、色変化を抑えようとすればするだけ寿命が縮みます

有機ELは有機材料であるがため劣化が早く寿命が短い上に、劣化による色変化を抑えるために搭載した機能でさらに寿命が縮むと言う。かなり無理をした設計になっています

全ては表示性能のためです

有機ELの映像の美しさに心を奪われない人は、有機ELを買うべきではありません

液晶も実は有機材料なのですが自ら光っている訳ではないので劣化スピードは有機ELと比較するとかなり遅いです。

液晶ディスプレイもバックライトに発光素子を使っていますが、その発光素子は無機物を使用しています

どんな素子を使っているのかと言うと、照明などで使用されるようになったLEDです

LEDの寿命は50,000時間とも言われています、しかもこの寿命の定義は初期の明るさから70%になるまでの時間です

寿命といっても50,000時間経ってやっと、明るさが70%になるだけです

照明としては問題かもしれませんが、そもそも常時MAXの明るさで使用しないディスプレイとしては問題ありません(照明と用途だとしても気付けるかな?)

無機材料であるLEDの光を液晶で調光するシステムが、今の所は寿命として最強です

調光なんて面倒臭そうなことせずに、最初から無機物のLEDを並べてディスプレイを作ればいいじゃんと思ったあなた!

鋭い!

実は実際にそういったディスプレイは存在します。電子看板などで見る、1画素のツブツブ大きいあれです

その見た目からわかるようにLEDの場合は1画素を小さくするのが苦手です

仕方がないので劣化スピードには課題があるけど、高精細に作成することが可能な有機材料を使用しているのが現状です

LEDを高精細に並べる技術も開発が進んでいるので、いつの日か次世代ディスプレイとしてお目見えすることがあるかもしれません

μLED(マイクロLED)と呼ばれています

自発光型でありながら寿命という短所を克服したディスプレイとして注目を集めています

 

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価格

基本的に新しいものは高い、古いものは安く買い叩かれるのが世間の常識です

ディスプレイについてもこの常識から漏れることはありません

当然、有機ELの方が価格は高くなります

液晶テレビも発売当初はかなり高価なものでしたが時が経つにつれ、リーズナブルな価格となりました

最先端の技術を体験するためにはそれなりにお金が必要です

そうでないと最先端の技術開発のために頑張った人たちが報われません

 

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有機ELは液晶の上位互換ではないよ

ここまでの内容で有機ELは液晶の上位互換ではないことはご理解いただましたでしょうか?(上位互換とは性能で下位を包含すること)

ブルーレイプレイヤーはDVDプレイヤーの上位互換と言えるのではないでしょうか

ブルーレイプレイヤーはDVDも見ることができるので、お金さえ許せばブルーレイプレイヤーを買えば間違いありません

しかし、有機ELと液晶関係はそうではありません

お金があるからといって何も考えずに有機ELを購入しちゃダメだよ

どちらかというと石油ストーブとガスストーブの関係みたいなものです

どちらも部屋を温めるという用途は同じですが使用方法に差があります

石油ストーブは灯油を買ってくるのが面倒ですがガス栓がなくても使用できます

ガスストーブは灯油を買ってくる必要はありませんがガス栓が必要になります

どちらか一方が優れているわけではなく、購入者の環境や目的によって購入すべきものが変わります。

灯油を買ってくるのが面倒だからといって、家にガス栓もないのに石油ストーブを購入する人はいないはずです

テレビは10年、20年と使うものだから価格は高いけど、映りの綺麗な有機ELを購入しよう!

と考えるのは後々、後悔することになります

おまけですが洗濯機もドラム式が縦型の上位互換と勘違いしやすいので注意!ゾゾムーは勘違いして購入して後悔した過去があります。ドラム式は乾燥までしたい人の専用機みたいなもんです。洗浄力重視しの方は縦型を選択しましょう。新しく出たものが必ず自分の需要にマッチしたものとは限りません

 

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まとめ

有機ELは表示性能が良いのですが長期信頼性に懸念があるため3年程度の短期使用にオススメです

液晶は表示性能が有機ELに劣るところがありますが、長期信頼性に長けており10年以上の長期使用でオススメです

車で例えるならば、高級車を短期間で乗り換えるか、大衆車を乗り潰すかに似ているかもしれません

少々高額でも長期間使うものだから大丈夫だ、という発想で有機ELに手を出すのだけはやめておいた方が良いと思います

有機ELは市場に出回ってからの歴史が浅く、未だ技術発展途上です

長期信頼性の懸念が払拭され、価格が低下する可能性もあります

先の未来では有機ELが液晶の上位互換となる日が来るかもしれません

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